第5回 輝くソフィアンインタビュー 森ゆり子さん

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森ゆり子さん ラッピング・アートディレクター&デザイナー

2011.08.04

ソフィアンというだけで、いろんな人と交流できる 一人とつながれば、新しい世界が広がるかもしれない 森 ゆり子さん(ラッピング・アートディレクター&デザイナー 1985年卒業(短大・英語科)、1988年卒業(大学・文学部新聞学科)

森ゆり子さん ラッピング・アートディレクター&デザイナー
1985年卒業(短大・英語科)、1988年卒業(大学・文学部新聞学科)

“ハッピーなコミュニケーション”をテーマに、
日常を彩るデザインを届けていきたい

このインタビューのお話をいただいたとき、「上智には立派な先輩がたくさんいらっしゃるのに、私でいいのかしら…」と感じてしまいました。元広告会社の営業で、現在フリーランスのデザイナーという、少し珍しいキャリアだからかなと思っています。ラッピングやふろしきのコーディネーション、さらにはテーブルコーディネーターやDTPデザイン、編集ディレクションなど、人との出会いのおかげで仕事の幅を広げてくることができました。こう紹介するといろんなことに手を出しているように聞こえるかもしれませんが、私の中ではテーマは一貫しています。それは“ハッピーなコミュニケーション”のデザイン。日常のちょっとした場面で、デザインを通じ人と人との幸せなかかわりを創っていきたいのです。

例えば、ラッピングをするときに大切にしているのは、受けとる方を想像してデザインすること。男性と女性では違いがありますし、年齢でも変わります。子どもなら中身が見えていたり、触ると「ガシャガシャ」と音がするラッピングのプレゼントをもらったら、喜びますよね。食空間づくりなら、ただご飯を食べるだけよりも、食卓に可愛らしい箸置きが一つあることで、「これ、可愛いね」と会話が弾むかもしれません。季節の花が一輪添えてあるだけでもテーブルがパッと明るくなります。相手を思うことはコミュニケーションの基本です。デザインの場合も同じだと思っています。

少し話が飛びますが、私の父(故井上英治:文学部名誉教授 人間学/元社会福祉専門学校校長)は上智大学で「かかわりの人間学」という講義を行っていました。知らず知らずのうちに影響されていたのでしょう。今の私の仕事は、父が説いた「人と人とのかかわり」の一つのカタチと言えるかもしれません。

先生の「Anybody, volunteer?」で、みんなが手を挙げる
モチベーションの高い仲間に、最初は圧倒されていました。

上智短大での思い出は、とにかく一生懸命勉強したこと。先生から出される英文作法やレポート作成などの宿題もたくさんありましたし、実は英語が得意で入学したわけではないので、授業についていくのに必死でした。それに上智短大の学生はみんなモチベーションが高く、例えば講義中にシナリオにもとづく英語ダイアログを前に出て演じるときなども、先生が「Anybody, volunteer?」と言えば、ほとんど全員が手をあげるんです。自信がないと手をあげられないので、「私も手をあげられるようになりたい」と頑張りました。おかげで積極性を身につけることができましたし、人前で話すトレーニングにもなったと思います。

友人たちはもちろんですが、在学中にお世話になった先生方のことも忘れられません。上智短大卒業後に四ッ谷キャンパスや秦野キャンパスで、偶然お会いした時には、担任だったシルゴ先生だけではなく、バリー元学長や竹之内先生やグエン・ジョイ先生らも「あなたは上智短大の卒業生ですね。元気でしたか?」と声をかけてくださって、とてもうれしく思いました。そんな家族的であたたかい学風にも大きく影響を受けていると思います。

森ゆり子さんさまざまな分野で活躍するソフィアンと
一緒にワクワクすることがしたい。
-卒業生に向けたメッセージ-

上智を卒業した人には、いろんな分野で活躍されている方がいらっしゃいます。デザインや芸術関係の活動をされている方も多いですし、本当にさまざまな個性が育つ場所だと思っています。卒業生同士が、もっと交流できたら面白いはずです。私はフリーランスの仕事を通じ、人と人とのつながりや大切さを感じました。同窓生や一度仕事をご一緒した方から仕事を紹介されることがありますし、ブログ経由で仕事の依頼をいただくこともあります。人との出会いがきっかけで、新しい仕事に挑戦し、その中でまた新しい方に出会うことができました。それと同じように、卒業生のみなさんとは「上智で学んだ」というだけでつながれるし、一緒にワクワクするようなこともできると思うのです。

私は今も寄附講座や募金活動などを通じて上智短大や大学とのかかわりがありますが、卒業してだいぶ経ってから、急につながりを持とうとしても大変ですよね。そんな方は、まず同級生に連絡をとってみるといいと思います。再会してみると、不思議と昔の友達同士に戻れるもの。近況報告をしていなくても、自然と学生時代の話ができたりとか、なんとなく映画の話をふってみると、一緒に盛り上がれたりするものです。卒業生向けSNSソフィア・コミュニケーション・サービスのコミュニティ機能や既存のSNSを利用して昔の友達と連絡をとってみるだけでもいいと思います。私もこれを機会に、いろんな方とつながることができることを楽しみにしています。

森ゆり子(旧姓:井上)さん プロフィール

1985年(昭和60年)上智短期大学 英語科 卒業
1988年(昭和63年)上智大学 文学部新聞学科 卒業
ラッピング・アートディレクター&デザイナー。広告会社 株式会社旭通信社(現アサツー・ディ・ケイ)にて営業として活躍した後、ギフトラッピング、デザインの仕事を経て、フリーランスで活動。

■ホームページ■
airy*works(エアリー*ワークス)
blog「ラッピング・コネクション」

■著書紹介(共著)■
『かわいい梱包』オークラ出版/刊


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