
現代社会は、一見、グローバル化の一途をたどっているように見えるかもしれないが、それは多様で多元的な世界でもある。そのありのままの姿を多角的にとらえ、それぞれの国や地域、EUなどの広い地域や国際社会のあり方を考え、さらには、人間の自由で創造的な思考を可能にし、コミュニケーションの最も大切な道具でもある言語とその社会的役割について総合的に研究するのが本学部である。このような研究をするには、まず、それぞれの国や地域の言葉の習得が必要である。そのため、本学部では、実践的な言葉の訓練を徹底的におこない、高度な外国語能力を育成するとともに、その外国語能力をベースとして、言語の仕組みとその役割についての研究、各言語が使われている地域圏や複数の国で構成されるより広い地域の社会、政治、経済、歴史、外交、文化、文学等の研究、また、現代世界の外交や国際社会が抱えるさまざまな問題の研究を含む「専門分野」を定め、それらを通して、専門性を高め、将来研究者として、また、国際舞台で活躍できる人材の養成を目指している。本学部は単に語学に強くなるための学部ではない。外国語を道具として使いこなし、人間がもつ普遍性とともに多様で多元的な世界を探求し、世界の人々とのコミュニケーションを通して、互いに協力しながら新しい知を切り開き、世界の平和と繁栄のために、国際社会に真に貢献できる人材を養成することを目的としているのである。
本学科は、異なった文化や思想を持った世界中の人たちと意思の疎通ができる実践的な英語能力を身につけるとともに、英語を通して外国研究の専門分野を深めることを目的とする。
実践的な英語は、国際会議や商取引、通訳などさまざまな場面で必要となるため、英語を使ってのディスカッションやディベート、スピーチなどを重視している。また、真の国際理解を達成するためには、自分の立場を主張すると同時に相手の意見を的確に把握し、議論することによって、共通認識に到達する努力とプロセスが不可欠である。
本学科では、そのような能力を備えた国際人を養成するために、英語の運用能力をより高めるとともに、「英語研究」「アメリカ研究」「英国・英語圏研究」を含む7つの専門分野において研究を推し進めることで、現代世界と対話し、国際社会に貢献できる人材の育成を目標としている。
本学科では、ドイツ語の能力を多面的に養成し、ドイツ語圏の諸問題を学際的に研究する。また高いコミュニケーション能力と専門的知見・方法論を兼ね備えた国際的に活躍できる人物の育成を目標としている。
言語教育はドイツ語を母語とする教員と日本人教員が連携して、集中的かつ効率的に進める。会話から入り、聞きとり、文法、読解、作文を総合的に学習する。1、2年次に基本的な運用能力を身につけ、3、4年次には、専門的な内容と関連づけられた科目を通じて深い相互理解ができるように育成していく。
そのうえで、ドイツ語の知識に基づき、ドイツ語圏をはじめヨーロッパについて学ぶ。演習科目では言語、思想、政治、社会、歴史、文化、メディアなどドイツ語圏の諸問題に深く切り込んでいく。
本学科では、高度なフランス語コミュニケーション能力を前提として、フランスとヨーロッパ、フランス語圏について多角的に研究することを目的としている。EU域内で中心的な役割を果たすフランスについて、歴史・社会・政治・思想・文学・言語・芸術などの観点から多角的かつ総合的に捉え、地域研究および異文化理解の手法によって深く理解できることのできる人材を養成する。1、2年次にフランス語コミュニケーションの徹底した学習を進めると同時に、思想哲学、歴史学、文学、政治学、社会学などの各領域を専門とする教員が現代のフランス社会、ヨーロッパの政治的・文化的な動向を反映した内容に関する複合的・専門的な知識と思考の方法を教える。
学生は各自が自分の興味を追及し、学科内で開講するゼミによって少人数指導を受けることができる。また、外国語学部に共通する6つの「専門分野」から1つの専門分野を選び、体系的な学習を行う。
本学科では、確かな言語運用能力を土台に、スペインおよびいわゆるラテンアメリカの双方にまたがるイスパニア語圏の文化の包括的理解を目指す。言語、文学、歴史、美術、経済、社会など個々の志向や適性に応じ、さまざまな視点からイスパニア語圏の文化に接近する。
このような接近の仕方を「地域研究」と呼ぶが、まずもって言語運用能力を強調するのは、文化の理解には人々がものを考える際の基盤である言語の習得が不可欠だからである。日本人教員とネイティブ教員の連携によるトレーニングを徹底的におこなって、的確なイスパニア語運用能力の獲得を図る。
そして、それを基礎に、圧倒的な比率を占める英語圏発信の情報のみならず、イスパニア語圏の生の声を感じ取る能力を育み、外交、ビジネス、国際協力、学術研究などの分野でイスパニア語を武器に、現地の生の情報を活用できる専門家の養成を目指す。
本学科は、ロシア語の徹底した基礎訓練のうえに、ロシア・ユーラシア全般にわたる豊富な知識を学生に与え、国際社会で役立つ人材、すぐれた研究者を養成することを目標にしている。
1年生、2年生においては、日本人教員とロシア人教員の協力のもとで、徹底したロシア語の基礎訓練をおこない、3年生、4年生では、それぞれの学生の関心に従って、人文科学系、社会科学系双方にわたる、多様な講義科目、演習科目が受講できるようになっている。特に実用ロシア語の教育には力を入れており、ロシア語通訳法、ロシア語翻訳法(和文露訳)に関する科目を多数開講している。ロシア文学やロシア語学に関する専門的な内容の科目はもちろん、日々変化するロシアの実情を知るための科目、ユーラシア全般を対象にした科目もそろえている。
本学科の教育目標は、ポルトガル、ブラジル、アンゴラ、モザンビーク、東ティモール、カボ・ベルデなどのポルトガル語を公用語とする国々、さらにはポルトガル語が使用されるさまざまな地域、すなわち「ポルトガル語圏」を理解し、その作業の過程のなかから幅広い視野と複合的な視点を身につけることである。大航海時代にグローバル化の先駆者となったポルトガル人の冒険をきっかけとして生まれたポルトガル語圏世界の理解は、同時に、世界の今日を学ぶ作業なのである。この教育目標の達成のために、コミュニケーション手段としてのポルトガル語力の習得を重視し、それを基盤に文化、社会、歴史、政治、経済など多角的なアプローチ方法を学ぶ。また、「専門分野制」の導入により、語学だけでなく、各分野ごとに、専門性を高めるためのカリキュラムを編成している。上述のような教育プログラムを通じて、海も国境線も越えて世界に挑戦する人材養成を目指している。
本副専攻は、複雑な国際関係や国際社会を学際的に学ぶことを通してグローバルな視野をもった人材を養成することを目的としている。外交、政治、歴史、社会という観点に加えて、紛争、開発、貧困、民主化、市民社会という観点からさまざまな問題を扱う。入門的科目から専門性の高い科目まで多様な科目が用意されており、特に演習や卒論執筆指導では、学生相互ならびに学生と教員相互の活発な討論・対話が行われ、多様な考え方に触れつつ、学際性、知的開放性を重視しながら国際社会の理解を深めていくことができる。国際機関やNGOをはじめ、日本の政府機関や企業のなかで、高度な外国語能力を駆使し、柔軟かつ国際的視野を提供できる人材を本副専攻の履修を通じて養成することを重視している。
言語学とは、人間の言語と精神がもつ特性をさまざまな側面から科学的に研究する分野である。言語は、人間の自由な思考や意思伝達を可能とし、あらゆる精神的・社会的活動を支えている。この意味で、言語の探究とは人間の本質を探ることにほかならない。
本副専攻の教育は、進展著しい現代言語学の基礎を学び、それを基にして人間言語・人間精神の本質について深く、科学的に考える力を養うことを目的とする。この目的に沿って、基礎理論から応用・実践までを含む総合的なプログラムが提供されている。大学院言語学専攻における教育や国際言語情報研究所の研究活動との連携も特徴である。学生は、言語学の基礎から言語教授法や言語障害学へ、さらには通訳・翻訳の実践的な科目までを、各自の目的に応じて学ぶことができる。言語学を通して、何よりも自己を対象化し、論理的思考を用いて言語と人間を考えることを学び、また、人間のさまざまな精神的・社会的活動を見つめ、基礎研究と社会的実践との双方に深い理解と関心をもつような人材の養成をめざしている。
本副専攻では、東南アジア、南アジア、中東を対象の地域として地域研究を学ぶ。アジアが抱える過去の歴史、今日の問題と未来の可能性を解明する力をもつことが、本副専攻の教育の目的である。教員たちは地域に密着した調査を、多様な分野で長年実施しており、学生はそうした調査の成果を積極的に吸収し、総合的な地域理解を果たすことを求められる。アジアで話される言葉の習得も、強く学生に勧められている。若手研究者や専門家を生み出し続ける大学院地域研究専攻の教育や、国内外に知られたアジア文化研究所の研究との連携も特徴で、本副専攻を専門分野等として修了した学生は、世界を舞台に起こるさまざまな出来事に堅実な姿勢で関わること、アジアの人々の暮らしに貢献する専門性の高い人材となること、そして、アジアと世界の現実を見据え、これに立ち向かうことのできる公共的知識人として活躍することが期待される。