
本学部は、文学を「人間を考える」学問としてとらえ、人類の精神的遺産を継承するとともに、国際社会に新たな展望を拓くために、人間・社会・世界の本質を洞察できる根源的な知性を養い、主体的に考え、行動する人材の育成を目指す。特に、人文教養による全人格的な陶冶を通じて、「叡智の探求」を目指し、真に自己実現を促す教育をおこない、よりよい社会の構築と他者のために生きる人間(men and women for others, with others)の育成を理念として掲げる。
哲学・史学・国文学・英文学・ドイツ文学・フランス文学・新聞学の7学科で構成するが、各学科は確固たる伝統のうえに専門性とともに学際性を備え、その特色と優位性を発揮するために、質の高い教員組織と明確な方針に基づく教育プログラムにより、高度な専門教育と学際的な研究を推進する。本学の伝統である少人数教育を堅持し、親密な教育研究共同体を最もよく体現化し継承しており、個性と向き合うcura personalis(一人一人のための教育)を特に重視する。
したがって、教育課程の特質として、学生の個性を重視し、少人数での演習や論文指導など、個々の能力を引き出すためのカリキュラム編成と教育指導を大切にし、語学力、表現力、理解力を重視して、自らが課題を発見し、分析、解決する研究能力の養成に重点をおく。
本学創立以来の伝統をもつ本学科は、文字どおり「上智の探求philosophia」を体現するために設立された本学の基幹学科である。したがって、その教育研究の目的は本学の設立理念と同一であり、特に古今の哲学思想に基づいて世界と人間の根源となる諸問題を問い、世界をその本質から理解することを具体的目標とする。その活動は、学科内にとどまらず、本学全体あるいは司祭養成課程にある宗教者、また全国的な哲学思想界等への展開を常に志向している。
人材養成においては、数多くの哲学・倫理・美学・宗教の専門家を輩出してきた本学科の伝統を継承し、大学院哲学研究科等と連携して、哲学思想の各専門領域での高度な学術研究あるいは高等教育に資する人材の養成を主要な目的とする。同時に、高度教養教育としては、広く深い展望から自己実現と共生社会を確立しうる自律的人間を育成し、もって社会を裨益することを目標として、全人的陶冶の教育をおこなう。この目標への動機づけを保ち、真剣な姿勢と勇気を長期に亘って持続できる精神力と知識を兼備する学生を育成することが本学科の希望である。
歴史学とは、「過去を探究することによって、現在の理解を深め、未来の指針となる」学問である。本学科は、歴史学の探究を通して、国際的視野と多元的で重層的な歴史認識をもった人材の養成を目指している。世界的レベルで価値観の対立による社会的緊張が高まっている現在、このような素養のある人材の育成は急務である。本学科では、時代の証言である原史料や先学の研究蓄積に直接触れる訓練を通して、学生が、これまでの固定観念や先入観を捨てて、何が真実であるかをしっかり見極める力をもち、現代の価値観を絶対化することなく、社会を歴史的・相対的に評価する力をもてるように教育する。また、自らの調査・考察の結果を、論理的かつ客観的に表現する訓練を通して、知性豊かで現代社会に積極的に関与できる人材を育成する。これらの訓練を経て身についた歴史的素養のある人材を、研究や教育の世界あるいは一般社会に送り出すことが、本学科の目的である。
日本文化研究の中核を担う学科として、古典学を教育・研究の基盤に据え、読解力・思考力・表現力を鍛えるとともに、人間・社会・文化の本質を問う視点を養うことを通して、国際化のなかで貢献しうる学殖と見識の獲得を目指す。
「国文学」は本来、その学問的性格・内実として、国文学(古典文学・近代文学)・国語学・漢文学の三分野が有機的に連関したものである。本学科は、教員組織、カリキュラム、教育・研究上の実践のいずれにおいても、その相互の連関を自覚的に具現化するとともに、創設以来、国文学・国語学・漢文学の研究者・教育者を輩出してきた伝統を受け継ぎながら、専門性と学際性を兼ね備えた多角的な思考方法の養成を重視し、次代の研究・教育を担う人材の育成に努める。
本学科では、国際語である英語を学習し、その運用能力を身につけるとともに、英米の文学、思想、言語表現、翻訳、文化を系統的に学ぶことにより、体系的なものの見方、考え方の枠組みを 身につけることを教育の目標としている。異文化を理解すること で、未知の問題に取り組み、処理していく際の判断力を養うこと ができ、同時に、新たに日本の文化を見直すことも可能となる。 こうした訓練を通して、グローバルな視野から人間と世界の動き を見ることのできる、真の意味での国際人の育成をめざしてい る。特に文学に盛られた豊かな素材を活用し、人間の姿や人間の 作り上げた社会を見つめることで、そのなかから意味あるものを 引き出し、4年間で獲得した言語による表現能力と豊かな知識に よって、知性を正しく用いることのできる人材を養成することを目標とする。
本学科は、総合的なドイツ語運用能力の養成を主眼とし、それを基盤として、学生が古典から現代にいたるドイツ語圏の文学作品、哲学思想、絵画、造形芸術、音楽、さらには、歴史的背景などに関する専門的な知識を習得し、ドイツ語圏の文学や芸術の豊かな思想性・内面性の形成プロセスを、ヨーロッパの歴史的・文化的文脈のなかに位置づけて、理解し、体得することを目指している。すなわち、ドイツ統一を機に、急激に動き始めたヨーロッパ再編成の歴史的流れを広い視野で考えることができるだけでなく、世界や人間そのものを深く理解し、流動化・グローバル化が進み、混迷を増しつつある現代の中で生きていくための柔軟な判断力と豊かな情操を有する人材を養成することを目的とする。
本学科の教育の目標は、高いフランス語能力とフランス文化に関する教養とを備え、国際的な場でも活躍できる人材を育てることにある。このために、1年次から徹底した語学教育を通してフ ランス語の読む・書く・聞く・話すという4つの側面を総合的か つ有機的に習得させている。それと同時に、フランス文化理解に 欠かせないフランス文学を中心として、美術・映画・舞台芸術・ 思想、および、現代フランス社会に関する科目を展開し、フラン ス文化に関するより深い教養を身につけさせている。また、単に フランス文化を理解するだけではなく、フランス文化の本質にあ る複眼的思考と異質なものへの寛容さ、批判を尊ぶ精神を身につ け、どのような社会に出ても通用する問題意識をもった人材養成 を目指している。また、そのような教育を通して、フランス文学 に習熟した国際的な研究者を育成することももう1つの重要な 目標となっている。
本学科は、1932年に専門部新聞科として設立されて以来、日本におけるジャーナリズム研究の深化とその人材養成を目的に、教育研究活動をおこなってきた。特に昨今の電気通信技術の発達を背景にした社会の情報化が進むなかで、コミュニケーションや情報全般を広くその射程に納めつつも、ますます重要性を高めている「ジャーナリズム」を取り巻く諸問題を中心に、教育研究活動に取り組んでいく。「理論に偏せず、実践にも偏らない」バランスの取れた教育をモットーにして、もともと実践的な性格の強いジャーナリズムを、確固とした理論で裏づけることを探求している。新聞・出版・放送・広告など、メディアの現場を目指す人材の養成にあたるとともに、広報・PR活動やメディア・リテラシーを含め、一般企業人や社会人に必要なコミュニケーションやメディアに関する基礎的教育にも努め、官公庁や企業、NPOなど、社会に多くの人材を供給することを目指している。