
これまでの日本は、高い生産性を誇る製造業を背景に、経常収支黒字を重ねる世界首位の対外純資産国で、1人当たりGDPや家計貯蓄の水準からみても豊かな国とされてきました。しかし、先進国で最速の少子高齢化と人口減少が予測される中で、ゼロ金利政策下でもデフレは長期化しており、ゼロ成長に近い低成長が続いています。若年層を中心に雇用の縮小と賃金の下落が止まらない状況で、先進国中最大規模の政府債務を償還できるのか、今後の経済成長や所得分配はどうなるのか、企業と政府の分析と対応が求められています。
経済学の役割は、こうした経済問題に対して、経済合理的な経済主体(企業や家計)を想定してその要因や動向を分析し、解決することです。またその合理性の想定の再検討も先進的な研究対象となります。例えば、ミクロ経済学は、市場メカニズムの機能と限界を考え、市場競争と企業の戦略、政府の政策のあり方を分析します。マクロ経済学は、経済成長と景気循環の要因と金融・財政政策対応の方法と効果を考えます。これら理論を、現実のデータで実証し、経済予測に結びつける分析手法が計量経済学です。これらの理解は、企業や政府を問わず、的確な経済分析にもとづいた政策の立案や戦略の構築に活かせます。
博士前期課程では、体系化された経済学の理論や分析手法を学ぶことで、国内外の調査研究機関、金融機関、シンクタンク、政府部門などで、経済分析や予測、コンサルティング、資産運用や資金調達の業務に役立てることを目指します。博士後期課程では、学術研究機関などで活躍できる独立した研究者の育成を目指し、3年間での博士学位取得を積極的に支援します。
現代の経済学の共通基盤といえるミクロ経済学・マクロ経済学・計量経済学を、1年次の春学期から必修科目(コア科目)として着実に学びます。この理論体系をもとに、各自の研究課題に応じて選択できる応用経済学の科目で、より高度で専門的な知識に発展させます。
最近の研究動向を踏まえた修士論文を完成させるために、少人数で対話的な指導が指導教員から受けられる論文演習を必修としています。
研究課題ごとに高度な分析手法やデータなどの最新のノウハウが提供され、セミナーなどを通じてプレゼンテーション能力も養います。
博士前期課程の入試では、日本経済学教育協会のERE(経済学検定試験)の評価によって専門科目の筆記試験を免除しています。学界で標準的な経済学の理解を重視し、志願者の知識と筆記試験の出題内容とのミスマッチがないような、選ばれる大学院を目指しています。
産業連関分析による炭素価格政策導入における費用負担分析とその軽減措置について─EU-ETSの軽減措置準用による国際競争に配慮した分析─
中国と日本の貿易によるCO² 排出量に関する産業連関分析
有限離散モデルにおける無裁定条件とオプションの価格評価
Endowment Effectの原因と経済学的含意
車両台数規制による混雑緩和─上海市 Car Number Plate Auction System の実証分析─
韓国の住宅バブル
A New Perspective on Prudence in Japanese Households
中国農村金融改革について ─農村銀行業の改革─
金融市場における会計発生高(Accrual)の評価に関する研究
企業の環境対策に対する金融市場の短期的評価の分析 ─東証一部の電気機器上場企業における ISO14001 認証取得を事例として─
医療サービスの提供基盤の地価への影響に関する分析
公共工事の入札制度改革が建設業のTFPに及ぼす影響について─上場企業の財務データを用いた実証研究─
費用便益分析の理論と日本のODAプロジェクトへの適用について
サブプライム問題に関する考察─日本の経験との対比から─
A Framework of a Currency Basket in East Asian Monetary Cooperaion