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上智大学

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2017年度学部入学式を挙行しました

曄道佳明学長の式辞(全文)を掲載いたします

4月1日、学部入学式を東京国際フォーラムにて挙行しました。今春は、新入生2,828人を迎え入れました。

上智大学 学部入学式 (2017年4月1日 東京国際フォーラム)

曄道佳明学長 式辞(全文)

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。また、保護者、ご関係の皆様におかれましても、この上ないお慶びのことと拝察申し上げます。誠におめでとうございます。

式辞の冒頭ではありますが、まず皆さんに問いかけたいと思います。なぜ皆さんは今ここにおられるのでしょうか。また、なぜ私たちは、今この時間を共有しているのでしょうか。この問いかけへの答えを自分なりに用意すること、このことこそが、皆さんが上智大学を選び、学生生活を始める第一歩にあたって、強く意識していただきたいことです。

皆さんは様々な志を持って入学を果たされたのだと思います。まさに今この時こそ、ご自身の大きな夢を掲げ、人生のプランをたて、社会にどのように貢献していくかを、強い志を持って展望する節目の時にあります。志と問われて、少し躊躇をする人もいるかもしれません。それでも構いません。それは、大学という場が皆さんにとっての新しいチャレンジの場であると捉えれば良いからです。チャレンジもまた志であります。いずれにせよ、その志は、個人個人によって多様であるでしょう。そのような皆さんが上智大学に集う意味をぜひ考えていただきたいと思います。

大学とは、多様な人々が集い、多彩な議論が交わされることにこそ大きな意義があります。日々変化する政治、経済の先行きに不安を覚えている人も少なくないでしょう。世界に存在する様々な課題、たとえば環境、紛争、貧困などに大きな憂いを持つ人も多いと思います。このようなときこそ、集い、交わり、議論をしながら将来を展望する場が重要です。私たちは集う仲間として、皆さんを迎え入れました。上智大学のキャンパスは、学生同士はもちろん、学生と教職員が豊かなコミュニケーションを築き、様々な観点から議論ができるという特徴を持っています。

同じように、私たち上智大学はなぜ今ここにあるのでしょうか。上智大学は、カトリック・イエズス会を設立母体とする大学です。およそ460年前に、イエズス会宣教師、フランシスコ・ザビエルが日本にキリスト教を伝えました。その際、彼は理性的で知識欲旺盛な日本人と接し、「日本のミヤコに大学を」という書簡をバチカンに送っています。この歴史的事実が上智大学の源流です。その後、彼の望みは1913年に上智大学が設立され実現を見ました。私たちの建学の理念は、世界の人々と共に歩む「隣人性」と「国際性」を貫く「大学」として、現在は「叡智が世界をつなぐ」(Sophia- Bringing the World Together)という言葉に表現されています。混沌とするグローバル社会の先行きに対し、まさに世界をつなぐ大学として今ここにあるのです。そして今、私たちは「他者のために他者とともに」(Men and Women for Others, with Others)、という教育の精神の下で、改めてこのメッセージを社会に投げかけています。今このとき、上智大学があり、そして皆さんが集いました。この意義を今一度噛みしめてください。

さて、次に上智大学に在籍しどのように成長していただきたいかを私からのメッセージとしてお伝えします。

現代の社会の不確実性、不透明性は、多くの人々の予想以上と言えるでしょう。社会のグローバル化が、人間の尊厳が尊重され、多様性が尊ばれる共生社会を実現させるものであるために、皆さんはどのような資質を身に付けるべきでしょうか。それは、社会の変化を見通す力、また自分自身の将来をデザインする力、すなわち「展望力」であると思います。

皆さんが社会の中核として活躍する20年後を考えてみましょう。日本の経済は安定していますか?日本が誇る科学技術は、その時も世界を席巻しているでしょうか?世界の政治的パワーバランスはどうなっていますか?グローバル社会から紛争や貧困・飢餓の課題は解決されていますか?このような問いに明確な展望を持つことは難しいかもしれません。しかしながら、皆さんが大学で学ぶ専門性、分野を横断する学際的な学びや教養、そして世界の様々な場所での体験などを自分の中で融合することで、世界の将来像を展望する力は養われていきます。これこそが、これから待望されるグローバル人材の資質と言えるでしょう。

一方で、自分自身を展望する力も重要です。まず、皆さんが学ぶ専門性は社会とのかかわりの中で創造的な力を発揮する礎となります。世界を話し相手にする言語運用能力も必要です。広く情報交換を行うためには広く豊かな教養が力になります。このような資質の向上をプランし、短期、中期、長期にわたる自分自身の姿を展望してみてください。そのときの自分は、今の皆さんの志を成就する位置づけにありますか?

それでは、自分自身の成長をどのように促せばよいのでしょうか?先ほど、カトリックセンター長からマタイによる福音書の一節が紹介されました。撒かれた種は、教えであり、成長を促す機会であり、また突発的な偶然のチャンスであると捉えてください。それを受け止める土壌こそが皆さんです。種が深く根付くための準備はできていますか?与えられるだけでなく、種の発芽、成長を促す環境を皆さん自身が整えていますか?このような人間性のあり方についても、上智大学の学生として強い意識を持ち、自己の成長につなげていただきたいと思います。

最後に今一度申し上げます。ようこそ、上智大学へ。このキャンパスで、社会に対する研ぎ澄まされた展望力を、自己に対する、その成長の展望力を身に付けてください。そして何よりも、豊かで深い人間性を養い、常に他者のために尽くし、他者のためにあっていただきたいと思います。

本学は多様、多彩な教育プログラムを準備し、また日々変遷する社会の動向に対応する教育を行う態勢を整えています。この環境を皆さんが十分に活用し、豊かな展望力を備えて、上智を巣立つ日を迎えることを祈念して式辞といたします。本日は誠におめでとうございます。

2017年4月1日
上智大学長 曄道 佳明

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