
このたび、2010年12月24日、文部科学大臣から、上智大学総合人間科学研究科看護学専攻(修士課程)の設置認可を受けました。
これにより、2011年4月、総合人間科学部看護学科のうえに、総合人間科学研究科看護学専攻(修士課程)を開設することになります。
看護学専攻の入学定員は9人です。
以下に、看護学専攻の設置の趣旨等について紹介します。
総合人間科学研究科看護学専攻は、聖母大学看護学研究科看護学専攻の研究教育の実績を継承し、人間の尊厳を基盤としたケアリングをディシプリンとし、実践に生かせる研究力ならびに指導力を兼ね備えた人材育成をめざす。
とりわけ、国内外の看護・医療健康問題の動向の中の重点課題に鑑み、①小児・家族共生支援看護学領域、②がん・緩和ケア看護学領域、③メンタルヘルス看護学領域、④国際共生支援看護学領域の4領域に焦点をあて、「共生支援」をキーワードとして研究を行う。
なお、本構想の「共生」とは、「他者のために、他者とともに生きる」という本学の教育精神を根底に、看護場面で出会う人々の価値と経験に敬意を示し、相手の持っているものを引き出せるような、「従来の価値観のみの追求ではなく、さまざまな個性がともに幸せに生きる」という意味の“convivial”(イリイチ,1973)に近い意味をもつと考える。
また、「支援」とは、看護の対象である人々が、いかなる場においても健康を維持し健やかに共に生きることを側面からサポートし、人々がセルフケアや自律・自立へ向けていけるように支援することである。
看護は、患者と家族や地域との「共生」関係を側面から「支援」するという意味で「共生支援」を捉えている。各専門領域においては、この「共生支援」というキーワードに基づいて、良質のケアリングに係る発展的かつ実践的な研究を行う。
看護学専攻では、特色ある研究分野と看護の教育・研究・臨床から得た知見を地域・国際社会に還元し、社会へ貢献ができる人材として、次のような人材を養成する。
① 近年の社会変化およびライフステージの変化にともなう家族看護学のニーズに応答するため、幅広い学際的な専門知識と家族支援に向けた家族システム開発支援研究等を自立して推進していける人材
② 人々の健康増進のため、がんの早期発見および予防に取組み、地域の医療施設ならびに在宅におけるがん・緩和ケア患者とその家族の苦痛の軽減や療養生活の質向上に向けて支援し、早期緩和ケアの実践等に必要な教育ならびにケアの質向上に資する実践的研究を推進していく人材
③ 地域におけるメンタルヘルス支援看護に携わる人材として、豊かな感性を養い、奥深い精神の病を理解し、患者とその家族に寄り添う看護実践に資する基礎研究あるいは支援研究を推し進めていける人材
④ 国際協力への発展に寄与するためのより高度な問題解決能力や看護支援研究を推進する能力のある人材
看護学専攻への入学資格は「学士(卒業見込みを含む)またはそれと同等の能力があると認められ、加えて保健師、助産師、看護師のいずれかの資格を有する者、養護教諭免許を有する者、また保健医療福祉および国際協力活動の経験を有する者或いはそれを予定している者」とする。看護学専攻でありながら看護師の資格をもたない者の入学に関しても開かれた専攻である。
なお、「看護師資格を有しない者」の入学は、基本的に「国際共生支援看護学」と「小児・家族共生支援看護学」の領域に絞られてくると考える。具体的な入学資格としては、前者が「保健医療・福祉及び国際協力活動の経験を有する者あるいはそれを予定している者」、後者が「養護教諭の経験者が看護の専門的知識と研究方法の修得を希望する者」に該当する。
本看護学専攻の修了者は、本学と研究科の教育目標である「人間の尊厳」、「他者のために、他者とともに生きる」という精神と深い専門性を生かせるような進路選択を支援する。
例えば、臨床に携わる者は、病院や福祉センターなどの医療保健・看護系機関等で活動することが期待される。また、研究および政策マネジメント等に関わる者は、制度・政策ならびに教育機関や諸研究所での活躍が期待される。
さらに、社会のニーズに応答するための新しい活動分野を拓き、発展的な活躍も期待される。
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総合人間科学研究科看護学専攻の設置認可申請書