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イエズス会の女子教育

イエズス会の女子教育

 イエズス会の創立は1540年ですが、当時、中等教育はもとより大学においても男女共学は皆無で、イエズス会系の学校も男子校でした。その伝統は長く続き、女子の入学を認めたのはごく最近になってからです。

 しかし、イグナチオは女性の理想像は聖母マリアであると確信していたようです。回心する前まで「高貴な婦人に奉仕することが最大の理想であった」と後に告白していますが、その後、彼の憧れは浄化され、聖母マリアへと変容していったのでしょう。

 騎士のよろいも、すべての地位も捨て去ったイグナチオは、バルセロナに近いモンセラトのベネディクト大修道院の祭壇で、聖母像の前に立ったまま徹夜で祈りましたが、これこそ聖母に対する深い信仰心を物語るものといえましょう。聖母に対する敬愛の心は、彼の著書、『霊操』の中にも随所にみられます。

 この思想は彼のイエズス会の活動においても見事な実りをもたらしています。他の修道会のようにイエズス会には、第二会(女子修道会)とか、第三会(信徒会)は存在しません。しかし初期の時代から、信徒団体である、「コングレガティオ・マリアナ」(聖母会)はイエズス会の指導のもので発展し、人間社会の福音化のためにめざましい活躍をしています。この会はその後CLC(キリスト教生活共同体)と改称しています。

 またイエズス会の名称ではありませんが、イエズス会の会憲をそのまま受け継いで創立されている女子修道会もいくつかあります。例えば日本では聖心会(聖心女子大学)、聖マリア修道女会、聖心侍女修道会(清泉女子大学)等です。

 上智大学が男女共学とした1957 年、短期大学の卒業生 4人の編入学を認め、翌年から正式に男女共学としましたが、スムーズに女子学生を迎え入れることができた背景は、女子の教育にかねてから上記のような豊かな経験があったということができます。男女共学にすると聞いて、当時の教職員や卒業生をはじめ、学生までも上智大学の特色が失われると心配したものです。しかし、結果的には上智大学にとってなんらの損失もなかったばかりか、むしろ女子学生の卒業後の活躍ぶりは、世間からも高く評価され、大学の名を高める一因ともなりました。

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