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イグナチオとイエズス会

イグナチオとイエズス会

聖イグナチオ・デ・ロヨラ 聖イグナチオ・デ・ロヨラ

 第二次世界大戦も終わり、平和な時代に入って、上智大学は発展を続けました。現在、7学部30学科、学部学生はおよそ10,000人、大学院生は7研究科26専攻で博士前期・後期課程におよそ950人が在籍、12の附置研究所を要しています。卒業生は7万人に達していますが、このように発展した原動力はどこにあるのでしょうか。上智大学の設立母体であるイエズス会の教育方針を理解するためには、会の創設者イグナチオ・デ・ロヨラと16世紀のヒューマニズム・ルネサンスの時代にまでさかのぼらなければなりません。
 

 イグナチオは1491年(月日は不明)スペインの北部バスク地方にあるロヨラ城で12人兄弟の末っ子として生まれました。ロヨラ家は先祖代々貴族の家系で、青年時代は伯父のもとで軍人としても文人としても恥ずかしくない教育を受けました。しかし、彼自身「若いころは平気で罪を犯した。特に、バクチ、女、決闘が好きで、生活は乱れていた」と述懐しています。
 
 1521年、当時スペイン軍が守っていたパンプローナの要塞にフランス軍が攻撃し、もはや勝利は不可能だから降伏した方が良いのではないかと仲間の兵士たちが話し合っていたとき、大尉であったイグナチオは最後まで城壁を守ることを主張していました。その時砲弾が彼の足にあたり、瀕死の重傷を負いました。手術によって負傷した足は治ったものの、気がつくと片足が短くなっていました。当時彼はまだ世俗的な優雅な生活を夢みていたので、医師に訴えて、短い足を器具でむりやりに伸ばすという拷問に耐えたのです。

 しかしイグナチオは手術の後、はかない名誉よりも神の栄光のために奉仕する決心をしました。翌1522年、ロヨラ城を出てバルセロナの近くにあるマンレサの洞窟でおよそ1年間こもって、祈りと断食の生活を送りながら、人生の行く手を見い出そうとしたのです。イグナチオが1548年に著した『霊操(心霊修行)』は、このとき草案をまとめたといわれています。

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