
1952年、『ソフィア』創刊号に掲載された、発刊の辞です。
故ヨゼフ・ロゲンドルフ師が中心となり始まった雑誌の目的について書かれており、今もこの伝統を受け継いで発行を続けています。
季刊誌『ソフィア』は専ら西洋文化ならびに東西文化交流の研究にささげられるものである。本誌の指導原則は創刊号のために特に寄稿されたドウソンの論文に暗示されている。我々の主眼とする所は、西洋文化とその東洋に及ぼした影響の精神的背景を認識し、且つ同時に、西洋の文化理想の過去及び現在を広汎に規定している宗教的因子をも見逃さないということである。もとより独断的な先入観は避けられなくてはならない。我々はただ人類文明における精神の優位という確信を表明するものである。しかしこの確信こそ『ソフィア』即ち叡智の名の下に我々の理想とする真理愛と明澄性を保証してくれるであろう。
精神科学の各分野が統合されている本誌の立場から、専門家のみに興味のある特殊問題を取扱った寄稿は割愛せざるをえない。かような特殊研究は専門の別冊として出版したいと思う。季刊誌としては執筆者がその専門の内外にわたって広く読者に訴えるような寄稿を中心としたい。かくすれば我々は今日の学的方法の焦眉の問題、即ち諸専門分野の孤立化という問題の解決に協力することが出来よう。カール・ヤスパースはドイツ崩壊の一原因として本来の大学の理念、即ちuniversitas(綜合性) がspecialitas(特殊性)の犠牲になったことを指摘している。我々は本誌において学問の専門領域に新しい境界線を引こうとするのではなく、むしろ相互の間に橋渡しをしようとするのである。
率直と和解との共通な精神をもって我々は又国際的及び社会的融和のためにも貢献出来ればよいと望んでいる。上智大学は十四年前から学術誌『モヌメンタ・ニッポニカ』(日本文化誌叢)によって西洋の読者に東洋文化の理解を容易にさせるよう努力してきた。同様に本大学は『ソフィア』を通じて西洋世界の歴史的基礎と現代思潮とを日本の読者に解明するのに努めたい。しかしこの課題は本大学のみの力では解決出来るものではない。
されば 『ソフィア』の編集部は本誌の主旨に同調するすべての学究の協力を懇願すると共に、文化の運命に真撃な関心をいだく読者多数の力強い支援をも期待して止まないものである。
『ソフィア』は、1952年に学科、学部の壁を越えて刊行され、高度な学問的内容をもつ論考を一般の方にもわかる文章で発表することを目指している学内唯一の総合学術雑誌です。
(季刊 A5判 平均115ページ、定価710円(送料210円) 年間購読料 3,680円(送料・税込))
1)【特集】シンポジウムおよび関連論文:
専門家や卒業生を招き、その時々でのトピックや、学問分野などについて取り上げる座談会形式の誌上シンポジウムと、特集に関連する論文を掲載しています。
2)【論文】:
専門的な内容を一般読者にも十分わかるように書いたものです。
3)【展望】:
学会動向、アクチュアルな話題、研究ノートなど、出来るだけ幅広い話題をエッセイ風に取り上げたものです。
4)【リレー・エッセイ】:
現在は、2013年の創立百周年に向けて、「懐かしき日々」というテーマで、上智大学と自分がどのようなかかわりを持ってきたか、名誉教授や卒業生が思い出を語るエッセイです。
5)【ソフィアンの本棚】:
ソフィアン(教職員、卒業生、名誉教授などの上智大学関係者)の著書の書評です。
学内外の先生方からの寄稿だけでなく、名誉教授や卒業生の方からお寄せいただいた寄稿も、編集委員会で掲載可否を判断したうえで、ご紹介しています。
発 行: 上智大学
〒102-8554 千代田区紀尾井町7-1 上智大学総務局企画広報グループ
電話:03-3238-3179 Fax:03-3238-3539
編 集: ソフィア編集委員会